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平成十二年度 会津大学文化研究センター公開セミナー 

剣道の国際普及と技術指導・実践法 再考 

報告者 長谷川弘一(会津大学文化研究センター助教授・剣道教士七段) 
 

日時  10月29日(日)午後2時〜  
場所  会津大学講義棟中講義室M1
問合せ  電話 0242(37)2625

内容  剣道の国際普及及び技術指導・実践法における問題点を整理し、 最近の実践記録を交えながら一般の方にもわかりやすく解説します。
(1)剣道の国際普及活動
 ・報告者は、イタリア剣道連盟の招へいにより1990年4月から7月までの3ヶ月間 また全日本剣道連盟派遣要請並びにドイツ剣道連盟招へいにより1994年11月か ら翌年5月までの7ヶ月間、剣道国際普及活動及び技術指導の機会を得た。その後も 年1、2回のイタリア及びドイツ訪問、あるいは両国剣道家達の会津訪問の機会を設 け、両国と日本との剣道を通じての交流を続けてきた。

(2)国際普及の難しさ、その背景について
・剣道を日本の伝統的運動文化の一つと捉えたとき、その国際普及の困難さとは、単に 技術伝播の問題に留まることなく、日本とドイツ、イタリアとの文化、教育、歴史、 生活習慣の相違による問題点を含むものである。また、同じヨーロッパでもドイツと イタリアの間の国民性の違いや、これまでの指導過程の影響によると思われる剣風の 差異が明らかに読みとれる。

(3)技術指導、実践法に見直しを
・こうした普及、指導活動の実践経験を通し、運動文化としての剣道の国際普及のあり 方、そして現在までの指導・実践法について、報告者は数多くの疑問や問題点に取り 組む必要を感じてきた。同時に、その教訓は日本国内での技術指導のあり方や指導・ 実践法そのものを相対化する機会を与えるものである。国際普及が広がりを見せてい る今こそ、日本剣道の指導・実践法再考の好機にあるとの実感を強くしている。

(4)「腰始動型打突法」と「出鼻技」への応用
・報告者は現在、こうした技術見直し論の一つの試みとして、「腰始動型打突法」とそ の「出鼻技」への応用に取り組んでいる。本報告ではこの実践記録を紹介する。剣道 愛好者、実践者に限らず、一般の方々にも理解していただけるようビデオ機器などを 利用し、視覚的に目で追いながら解説したい。

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