測定がある不確かさを持っている以上、むやみに数字を幾桁も並べても意
味がなく、測定の精度に応じて、有限個の数字で示すべきである。このよ
うに意味のある数字を「有効数字」という。たとえば、最小目盛り
1mmの物差しで、ある長さを測定して、3.45cmという測定値が得られ
たとする。この数値3.45の最後の5は、4や6にするよりも真の値
に近いという意味で、最初の3、4とともに意味のある数であり、これら
を有効数字という。
これに対し、0.0345mの0は単に位取りを示しているだけなので、有効
数字とは言わない。有効数字の桁数をはっきり示す時は、整数部分を1桁
の小数にし、それに10の累乗を掛けて表すのが普通である。たとえば、
、3.45cm、
のように表す。また、
mmの単位まで正確に測定し、1200mmの値を得た時には、有効数字は
1、2、0、0の4桁である。これをmの単位にして、1.2mとしたのでは、
せっかく4桁まで測定した意味がないので、1.200mとか、
のように表すことにする。
一般に、実験や観測で得られた測定値は有効数字で示すことにする。
アナログメータでは、原則として、最小目盛りの10分の1を目分量で読みと る。なお普通の実験では有効数字は3桁ぐらいのものが多い。