2018年度 シラバス学部

数学関連科目

2019/01/30  現在

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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  1学期・2学期 /1st & 2nd Quarter
対象学年
/Course for;
1年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
渡部 繁
担当教員名
/Instructor
前田 多可雄, 浅井 和人, 渡部 繁, 蘇 春華, コン タン チョオン
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/05/31
授業の概要
/Course outline
(ICTGクラスはQ3に開講し、担当は浅井和人先生コンタンチョオン先生です。)
理工系大学の基礎課程における数学は、線型代数と微積分の二コースについて学習するのが通例とな
っている。本講義では、線型代数の前半部分を学習する。もう一方の柱である微積分とともに履修
することが求められる。線型代数の理解なくして微積分の理解はありえないし、その逆もありえない
からである。
線型代数は、和とスカラー倍によって不変な対象を調べる分野であって、高校では、ベクトルとして
すでに現れている。歴史的には、連立一次方程式の解法を源泉としているが、中心テーマである行列
の固有値問題は、連立線型微分方程式の理論に始まる。この講義では、固有値問題を考える上で必要
となる最小限の概念と、計算技術の習得とを目標にする。
受身になりがちな講義と並行して、学生の主体的学習の場として演習も行う。学生諸君の積極的参加
を期待する。
線型代数が扱うテーマは、コンピュータ理工学のあらゆる分野に現れる。グラフィックスひとつにし
ても、その数理を理解する上で、線型代数は欠くことができない。確かに、数学はそれ自身のために
発展してきたという側面がある。しかし、工学や物理学等からの要請から生まれ、または発展してき
たという側面もある。コンピュータ理工学を学ぼうとする諸君が、数学をここで学ぶのはそのためで
ある。
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
この講義では、固有値問題を考える上で必要となる最小限の概念と、計算技術の習得とを目標にして、
以下のような内容を扱う。
まず、平面や空間のベクトル、二次行列から始めて、一般の数ベクトル、行列へと話をすすめる。次
いで、行列の基本変形と連立一次方程式、逆行列との関係について触れ、行列の取り扱いに慣れても
らう。これに行列式と線型空間の基礎理論を加えて、固有値問題への準備は完了するのである。

到達目標

行列の階数を理解し、一次方程式系を解くことができる。
線型空間の基底、次元を理解し、線型部分空間が扱える。
授業スケジュール
/Class schedule
1 行列入門(1)
2 行列入門(2)
3 行列と線型変換(1)
4 行列と線型変換(2)
5 行列の定義と演算  一般論
6 正方行列とくに正則行列、行列と線型写像
7 行列の基本変形と階数
8 一次方程式系
9 行列式の定義
10 行列式の性質
11 行列式の展開
12 線型空間の定義と性質
13 線型空間の基底と次元
14 線型部分空間、線型写像
教科書
/Textbook(s)
齋藤正彦著 線型代数入門 (東京大学出版会)
水田義弘著 理工系 線形代数 (サイエンス社)
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
浅井クラス
レポート課題8割以上の提出の前提の下で、期末試験100%で評価する。


渡部クラス
期末試験 100%


前田クラス
毎回の小テスト(クイズ)10%、 一つの演習時間に実施する中間試験30%、 期末試験60%
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
浅井クラスの授業用ディレクトリ: ~k-asai/classes/lalg/
浅井クラスのハンドアウトと演習問題: http://web-ext.u-aizu.ac.jp/~k-asai/classes/class-texts.html


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  3学期・4学期 /3rd & 4th Quarter
対象学年
/Course for;
1年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
渡部 繁
担当教員名
/Instructor
前田 多可雄, 渡部 繁, 渡邊 曜大, 松本 和也, ローター シュミット
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/05/31
授業の概要
/Course outline
ICTGクラスはQ1に開講し、担当はシュミット先生です。
線型代数 I の続きとして、固有値問題を扱う。前期と同様に、微積分
とともに履修することが求められるが、その理由は I に述べた通りである。
たとえば、多変数関数の微積分において、行列や行列式が決定的な役割を
果たす様を見ることになる。また、固有値問題は、数列の漸化式を解く有
力な方法を提供する。線型代数と微積分とを有機的に結び付けて理解して
おくことがいかに重要であるか、痛感することになるだろう。また、電
磁気学で必要不可欠なベクトル解析の下地もここで養われる。その他、演
習も含め基本的方針は、線型代数 I と変わるところはない。
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
行列の固有値問題の理解
固有値、 固有ベクトル、対角化

到達目標

行列の固有値、固有ベクトルが求められる。
行列の対角化ができる。
ユニタリ行列による正規行列の対角化ができる。
授業スケジュール
/Class schedule
1 内積
2 計量線型空間
3 シュミットの直交化
4 固有値問題入門 --- 対角化の意義
5 固有値と固有ベクトル(1)
6 固有値と固有ベクトル(2)
7 行列の対角化(1)
8 行列の対角化(2)
9 ユニタリ行列による正規行列の対角化(1)
10 ユニタリ行列による正規行列の対角化(2)
11 ユニタリ行列による正規行列の対角化(3)
12 直交行列による実対称行列の対角化
13 二次形式
14 二次曲線

授業の順序は変更することがある。
教科書
/Textbook(s)
齋藤正彦著 線型代数入門 (東京大学出版会)
水田義弘著 理工系 線形代数 (サイエンス社)
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
渡部クラス
期末試験 100%


前田クラス
毎回の小テスト(クイズ)10%、 一つの演習時間に実施する中間試験30%、 期末試験60%


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  1学期・2学期 /1st & 2nd Quarter
対象学年
/Course for;
1年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
木原 浩
担当教員名
/Instructor
木原 浩, 小川 佳子, 浅井 信吉, 李 鵬
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/05/31
授業の概要
/Course outline
(ICTGクラスはQ4に開講し、担当は李 鵬先生です。)
本講義では、微積分の前半部分を学習する。もう一方の柱である線型代数と並行して履修することになるが、線型代数の理解なくして微積分の理解はありえない し、その逆もありえないからである。また物理では、早々に微積分が必要となり、さらにはベクトルに対する微積分まで登場する。これらを学習するためにも、 なるべく早い時期に、二つの基礎数学に接し、双方を有機的に結び付けて理解しておくことは重要である。

微積 分は、図形の面積、曲線への接線等の問題を出発点とし、ニュートンによる力学的考察に基づいて一定の基礎が築かれた。極限の概念がその根底にあるのは、い うまでもないことである。その後も、先人達によって整備された微積分は、その扱われ方の違いから、一変数と多変数のふたつにわけられる。本講義では、この うち一変数の微積分を扱う。基本的な計算技術に関しては、高校で学ぶ事柄と大差はなく、扱う関数の範囲を若干ひろげるだけのことである。異なるのは、極限 概念の取り扱いであるが、厳密な議論を行うには無理な点があるので、全面的な導入はしない。受身になりがちな講義と並行して、学生の主体的学習の場として 演習も行う。学生諸君の積極的参加を期待する。
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
高校で習った微積分に よりしっかりした基礎付けを行いながら、 逆三角関数や関数の展開 積分の漸化式等のより高度な内容も紹介していく。
この教科は このあとで習う微積分II、確率統計学、フーリエ解析、複素関数論だけでなく、物理やコンピュータサイエンスのあらゆる分野に進むための基礎知識となる。
授業スケジュール
/Class schedule
1. 実数の集合
2. 数列の極限
3. 関数の極限と連続関数
4. 導関数および指数関数と対数関数
5. 三角関数と逆三角関数および高次導関数
6. オイラーの公式
7. 微分、平均値の定理および関数の増減
8. テイラーの定理および関数の展開
9. 不定積分と漸化式
10. 有理関数の積分
11. 一階および二階の線型微分方程式
12. 定積分の定義および性質
13. 定積分の計算と定義の拡張、図形の計量
14. 全体の復習
教科書
/Textbook(s)
栗田稔著「新講 微積分学」学術図書、1、442円
米田元 著 「理工系のための微分積分入門」 サイエンス社 1890円
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
期末テスト:レポート= 8:2
履修上の留意点
/Note for course registration
なし
履修規程上の先修条件:なし
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
授業で指示する


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  3学期・4学期 /3rd & 4th Quarter
対象学年
/Course for;
1年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
木原 浩
担当教員名
/Instructor
木原 浩, 三瓶 岳昭, 土屋 貴裕, 渡邊 曜大, 大藤 建太, 李 想
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/05/31
授業の概要
/Course outline
(ICTGクラスはQ2に開講し、担当はLi. X.先生です。)
微積分Iに引続き、多変数関数の微積分を扱う。一変数のときと比べて、趣が異なるけれども、実際の計算は、一変数の場合に帰着してしまう。従って、授業を 大事にして基本さえおさえておけば、何ら恐れることはない。なお、基本的方針は、微積分 I と変わるところはない。また、線型代数 II の項も参照されたい。
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
多変数の微積分の基礎の修得を目的とする。
1変数関数に対する微分は多変数関数に対する偏微分に拡張されるが その考え方 計算は難しくない。微分を1変数関数の極大極小問題に応用したように偏微分を多変数関数の極大極小問題に応用する。
また 1変数関数に対する積分は多変数関数に対する重積分に拡張されるが やはりその考え方 計算は難しくない。特に1変数関数に対する置換積分にあたる変数変換の技法に習熟してほしい。
最後に 級数についても学ぶ。特に関数項級数は フーリエ変換、複素関数論の基礎にもなる。
授業スケジュール
/Class schedule
1. 媒介変数による曲線の表示
2. 偏微分係数
3. 合成関数の微分法
4. 全微分および関数の展開
5. 関数の極大極小
6. 陰関数および曲線と曲面
7. 重積分およびその計算
8. 変数の変換による重積分
9. 面積および体積
10. 一次微分式と積分
11. 無限級数の収束、絶対収束と条件収束
12. 無限級数の和と積および関数列の極限
13. 整級数
14. 全体の復習
教科書
/Textbook(s)
栗田稔著「新講 微積分学」学術図書、1442円
米田元 著 「理工系のための微分積分入門」 サイエンス社 1890円
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
期末テスト:レポート= 8:2
履修上の留意点
/Note for course registration
線型代数I、微積分I
履修規程上の先修条件:なし
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
授業で指示する


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  1学期 /First Quarter
対象学年
/Course for;
2年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
前田 多可雄
担当教員名
/Instructor
前田 多可雄, 土屋 貴裕, 丁 数学, 李 想
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/05/31
授業の概要
/Course outline
(ICTGクラスはQ3に開講し、担当はLi, X.先生です。)
フーリエ解析は19世紀初頭のフーリエによる熱方程式(微分方程式)の研究を起源としている。そのアイディアは「三角関数をうまく用いて任意の関数を表そう」というものであった。この考え方は応用において多くの有用な結論を導いたが、収束概念等が整備されていなかった当時としては、その結論が数学的に正当化されるか否かは不明であった。現在においては通常の理工学応用に関する部分では数学的にきちんとした理論の整備がなされている。フーリエ解析にはフーリエの時代からの応用(微分方程式に関する処理)に加え現代的な応用たとえば、画像情報や音声情報等に関する信号処理において必須の基礎理論としての地位があたえられている。本講義では数学的な論証の細部には立ち入ることはできないが、与えられた関数を三角関数や指数関数を用いて取り扱うテクニックを習得してもらう。演習問題への解答等を通し、フーリエ解析の基本的な定理の使い方および付随する計算に習熟してもらう。
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
第1部 フーリエ級数展開
有限区間で定義され関数の空間の正規直交系とベッセルの不等式を理解できること。三角関数(指数関数)のフーリエ級数を理解し、多項式、指数関数、三角関数等の関数で表された関数をフーリエ級数展開が計算できること。

第2部 フーリエ級数の性質
フーリエ級の収束条件を理解し、与えられた関数とそこから得られたフーリエ級数との関係を理解できること。またパーセバルの定理を理解し、その適用ができること。ワイヤストラスの定理が理解できること

第3部 フーリエ積分
フーリエ級数の区間を実数全体に延長するという“発見的な”操作からフーリエ積分が得られることを理解すること。さらに、与えられた関数からフーリエ変換、フーリエ積分(フーリエ逆変換)が計算できる。対象となる関数には上記の初等関数等に加え$e^{-x^2}$を含む関数が入る。関数の合成積とフーリエ変換との関係を理解し、その計算ができること。

第4部 ラプラス変換
フーリエ変換の変化形としてのラプラス変換を理解し、ある種の常微分方程式への応用ができること。その中には解をラプラス変換の合成積で表示するような解法も含まれる。

第5部 離散フーリエ変換
階段関数に対してフーリエ級数の理論を適用し、発見的な考察をすることにより、離散フーリエ変換(DFT)が紹介される。第2部で紹介したフーリエ級数の理論に相当する理論を理解する。離散フーリエ変換の効率的な計算方法としての高速フーリエ変換(FFT)を理解し、その高速性を得心する。
授業スケジュール
/Class schedule
第1回 第1部 フーリエ級数展開 (関数空間における直交系)
第2回 第1部 フーリエ級数展開 (有限区間上の初等関数の三角関数による表示)
第3回 第1部 フーリエ級数展開(演習)
第4回 第2部 フーリエ級数の性質(与えられた関数とそのフーリエ級数の関係)
第5回 第2部 フーリエ級数の性質(パーセバルの定理、ワイヤストラスの定理))
第6回 第2部 フーリエ級の収束条件(演習)
第7回 第3部 フーリエ積分(フーリエ級数の理論からの導入、フーリエ(逆)変換))
第8回 第3部 フーリエ積分(フーリエ積分におけるパーセバルの定理、合成積)
第9回 第3部 フーリエ積分(演習)
第10回 第4部 ラプラス変換(フーリエ変換の変化形としてのラプラス変換の導入)
第11回 第4部 ラプラス変換(定数係数線形状微分方程式の解法)
第12回 第4部 ラプラス変換(演習)
第13回 第5部 離散フーリエ変換(階段関数に対するフーリエ級数の理論)
第14回 第5部 離散フーリエ変換(FFT(Fast Fourier Transform))
教科書
/Textbook(s)
ハンドアウト(各教員による)および,以下の書籍
土屋クラス: 洲之内源一郎:フーリエ解析とその応用(サイエンスライブラリ、理工
系の数学12)、サイエンス社
丁クラス: ハンドアウトを主たる教科書とする。参考書としては洲之内源一郎:フー
リエ解析とその応用(サイエンスライブラリ、理工系の数学12)、サイエンス社
前田クラス: 洲之内源一郎:フーリエ解析とその応用(サイエンスライブラリ、理工
系の数学12)、サイエンス社
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
基本的には期末試験の成績をもとに評点を付ける。ただし、小テスト及び演習毎のレポートの状況を最終評点加点することがある。
履修上の留意点
/Note for course registration
先修科目:M-3 微積分I又はM-4 微積分 II, M-1 線形代数 I又はM-2 線形代数 II
重要な関連科目:M-6 複素解析、A-3 画像処理学、kA-8 ディジタル信号処理
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
トランスナショナルカレッジオブレックス編「フーリエの冒険」,ヒッポファミリークラブ
金谷健一著「これならわかる応用数学教室」,共立出版  


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  4学期 /Fourth Quarter
対象学年
/Course for;
2年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
浅井 和人
担当教員名
/Instructor
杉山 雅英, 浅井 和人, 李 想
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2017/11/10
授業の概要
/Course outline
複素関数とは,広い意味では複素数から複素数への写像,すなわち複素変数複素数値関数であるが,通常複素関数論と言えば, さらに解析性と呼ばれる性質をもつ関数を扱う. 解析性とは,局所的に(十分小さい円の内部で)収束するべき級数で展開されるという性質であり, それはまたそこにおいて関数が正則(複素変数として微分可能)ということと同値となる.

本講では,まず複素関数を導入した後,その正則性とCauchy--Riemannの関係式を学ぶ.次に複素平面上の曲線に沿った 複素積分を定義した上で,Cauchyの積分定理,積分公式などを導く. さらにその応用としてTaylor展開および Laurent展開を得る. 前者はべき級数による関数の展開であって,複素関数論におけるもっとも基本的な結果である. 後者は特異点や留数定理の研究に応用される.また,最大値の原理, 微分方程式のべき級数による解法, Roucheの定理による零点の個数計算など,直接応用に役立つ事柄も数多く導かれる.

この理論を学ぶとき,必要な定理が次から次へと自然に導かれていくことに感銘を受けるだろう.それゆえ複素関数論は, 数学のなかでも美しい体系を持っていると言われる.その中でも最も印象に深いことは, 解析性をもつ関数は,極めて小さい領域における振る舞いによって,全領域での振る舞いが決まってしまうという事実である. このことは,あらゆる生物が1つの細胞から全体を復元できることと似ている.

解析性という性質は,私たちが一般に実関数としてなじみの深い関数: 多項式,有理関数,指数関数,対数関数,三角関数,およびそれらを組合せて得られるものすべてが持っている性質である. それゆえ複素関数論は,種々の分野において容易に応用されるという特徴を持つ. 電磁気学,流体力学,熱伝導論や,コンピュータサイエンスにおけるシステム理論,信号処理等,さまざまな応用分野において, 複素関数論の素養は極めて重要な要件と言える.

授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
授業の目的: 正則な関数について理解し,Cauchyの積分定理,積分公式を種々の問題に応用できるようにする. 解析関数をTaylor級数, Laurent級数に展開できることを学ぶ. 留数定理を積分計算に応用する.

到達目標: 正則な関数,Cauchy--Riemannの関係式,複素積分,Cauchyの積分定理,Cauchyの積分公式,Taylor級数,Laurent級数, 特異点,留数定理.

授業スケジュール
/Class schedule
1. 複素平面,無限遠点
2. 正則な関数,Cauchy-Riemannの関係式
3. 調和関数
4. 指数関数,三角関数,対数関数,べき根,一般のベキ
5. 複素積分
6. Cauchyの積分定理,正則関数の積分
7. Cauchyの積分公式,Liouvilleの定理, 最大値の原理
8. 複素数列,級数
9. 関数列, 関数項を持つ級数, 一様収束
10. ベキ級数と収束域
11. Taylor展開
12. Laurent展開,零点,特異点
13. 留数定理
14. 種々の(実)定積分への応用
(詳細は各クラス毎に異なる)
教科書
/Textbook(s)
ハンドアウト(各教員による)および,以下の教科書
杉山クラス: なっとくする複素関数,(2000),講談社,小野寺嘉孝 著
浅井クラス: ハンドアウトを主たる教科書とする.参考書としては,なっとくする複素関数,(2000),講談社,小野寺嘉孝 著
木原クラス: 工学基礎,複素関数論,サイエンス社,矢嶋徹,及川正行 共著
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
杉山クラス:第1講で学生と相談して決める(昨年度は中間試験,期末試験,クイズ,宿題を 3:4:1:2 で評価)

浅井クラス:レポート課題8割以上の提出の前提の下で,期末試験100%で評価する.(期末試験は125点満点程度とし,試験の得点pに対して,原則として s=80+(p-80)/2 (p>80), s=p (p≦80) で成績sを算出する)

木原クラス:レポート点 2点 x 13回,期末テスト 74点
履修上の留意点
/Note for course registration
先修するのが望ましい科目: 微積分I,微積分II
重要な関連科目: フーリエ解析, 電磁気学
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
杉山クラスの授業用ホームページ: http://web-int.u-aizu.ac.jp/~sugiyama/Lecture/CA/2018/welcome.html
浅井クラスの授業用ディレクトリ: ~k-asai/classes/holm/
浅井クラスのハンドアウトと演習問題: http://web-ext.u-aizu.ac.jp/~k-asai/classes/class-texts.html


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  1学期 /First Quarter
対象学年
/Course for;
2年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
土屋 貴裕
担当教員名
/Instructor
土屋 貴裕, 蘇 春華, 吉良 洋輔, イゴール ルバシェフスキー
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/05/31
授業の概要
/Course outline
(Prof. Lubashevskiy, I. is in charge of ICTG class.)
Probability and Statistics is the most useful area in mathematics. We present an introduction to Probability and Statistics for 2nd year students.
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
As a study of random variation and statistical inference, Probability and Statistics are important in computer science and other wide areas of Mathematical sciences. The words of error, mean, variance, correlation, estimation are used most often. But, their definitions are not well known and
badly understood. In this course, we explicitly explain these words and concepts of Probability and Statistics. They are useful knowledge for students. Moreover, statistical analysis is the basis on solve statistic problems in research and business.
授業スケジュール
/Class schedule
1. basis of statistics
2. 1-dim data
3. 2-dim data
4. probability
5. random variable
6. probability distribution
7. multi-dimensional probability distribution
8. Law of large number
9. sample distribution
10. sample from Gaussian distribution
11. estimation 1(mean)
12. estimation 2(variance)
13. hypothesis test 1 (mean)
14. hypothesis test 2(variance)
教科書
/Textbook(s)
Tokei kaiseki Nyumon ( Tokyo Univ Press )
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
Test 80 and reports 20
履修上の留意点
/Note for course registration
Formal prerequisites:M3 Calculus I or M4 Calculus II
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
An Introductiion to Probability Theory and its Application, Vol 1
Tokeigaku Nyumon (Tokyo Univ Press)


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  3学期 /Third Quarter
対象学年
/Course for;
3年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
ローター シュミット
担当教員名
/Instructor
ローター シュミット
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/02/21
授業の概要
/Course outline
The course has three parts:
(1) Review of Boolean Logic and Propositional Logic.
=============================================
This serves as a review to bring students with different prerequisites to the same level. Topics discussed include:
Mathematical propositions and truth values in {0=false,1=true}; Set theory; Boolean algebras as generalizing principle of the latter two subjects; Stone's Theorem.
Some computer applications of the material is discussed as well.

(2) Fuzzy Sets and Applications.
===========================
Here the structure of (1) is generalized to truth values in the full interval [0,1] in IR. This allows to define fuzzy subsets of a given set, the embedding of regular sets into the set of fuzzy subsets. A special case of fuzzy subsets are fuzzy relations.
The main application of this chapter is the rigorous development of the Tamura classification method based upon a given fuzzy relation. An indication how to use this method in image reconstruction is given.
See:
http://ieeexplore.ieee.org/xpl/freeabs_all.jsp?arnumber=5408605

(3) Model Theory.
=================
In mathematics, model theory is the study of (classes of) mathematical structures (e.g., groups, fields, graphs, universes of set theory) using tools from mathematical logic. A theory is built which allows to say in a proper calculus: One can verify a formula or theorem in any set interpretation, if and only if one can find a formal proof of that formula or theorem by means of strict textual manipulations according to a fixed set of proof-rules without referring to special properties of any example. This is known as Goedel's completeness theorem.
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
To learn Logic and Applications from three perspectives: classical Boolean Logic, Fuzzy Logic, and Model Theory (logic of proofs, first order logic).
授業スケジュール
/Class schedule
Boolean Logic I-III.
Fuzzy Logic and Relations IV-VII.
Model Theory VIII-XIV.
教科書
/Textbook(s)
[1] Online Lecture Notes (email L@LMSchmitt.de for the link).
[2] Pattern Classification Based on Fuzzy Relations, S. Tamura et al,: IEEE Transactions on Systems, Man and Cybernetics, 1971
[3] Mathematical Logic (Springer Undergraduate Texts in Mathematics)
H.-D. Ebbinghaus, J. Flum, W. Thomas
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
Required for admission to final exam:
[a] sufficient attendance (2/3), and
[b] participation in online quizzes (2/3, this is for training only).
The final exam determines the grade.
履修上の留意点
/Note for course registration
Rather self-contained course. Understanding basic logic and real numbers is welcome.
Formal prerequisites: None
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
Online Lecture Notes (email L@LMSchmitt.de for the link).


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開講学期
/Semester
2018年度/Academic Year  3学期 /Third Quarter
対象学年
/Course for;
3年
単位数
/Credits
2.0
責任者
/Coordinator
ローター シュミット
担当教員名
/Instructor
ローター シュミット
推奨トラック
/Recommended track
履修規程上の先修条件
/Prerequisites

更新日/Last updated on 2018/02/21
授業の概要
/Course outline
We study the ideas of topology from the application perspective of analysis. For this purpose, the definition of the real numbers IR is reviewed and it is shown how the sub-axiom in IR relates to the existence of limits. In the major part of the course, the relationship between
(1) limits in IR^n
(2) the canonical topology in IR^n
(3) continuous functions is discussed.
The relationship between these structures is studied extensively. As an application, we show, e.g., that compactness and associated uniform continuity are the ingredients which make integration work.

The second major part of this course introduces a rigorous treatment of the concept of continuous deformation (homotopy) and the fundamental groups which one can construct using homotopy equivalence classes of continuous functions on a set with a given topology. As an application we show the fundamental theorem of algebra at the end of the course.
授業の目的と到達目標
/Objectives and attainment
goals
Learn topological concepts in the context of the geometry in finite dimensional vector spaces and the natural (Euclidean) norm including embedded objects such as the torus in IR^3. Relate the concepts of supremum, limit, topology and continuous functions. Show how these concepts and homotopy apply in other mathematical disciplines.
授業スケジュール
/Class schedule
Review of the Real Numbers IR, the Supremum, and the Vector Space IR^n
(I-II).
Limits in IR^n --- Definition, Estimates, Basic Properties and Theorems
(III-IV).
Topology (mathematical object) and relation to Limits (V-VI).
Continuous Functions and relation to Limits and Topology (VII-IX).
Applications to concepts in Analysis --- Differentiation and Integration
(X).
Homotopy (continuous deformation of functions) and Associated Groups
(XI-XIII).
Fundamental Theorem of Algebra and other Applications of Homotopy (XIV).
教科書
/Textbook(s)
[1] A Geometric Introduction to Topology (Dover Books on Mathematics) C. T. C. Wall
[2] Analysis I (Addison-Wesley) S. Lang
成績評価の方法・基準
/Grading method/criteria
Required for admission to final exam:
[a] sufficient attendance (2/3), and
[b] participation in online quizzes (2/3, this is for training only).
The final exam determines the grade only.
履修上の留意点
/Note for course registration
This is a follow-up course on topology and the reader is supposed to be familiar with the introductory course on topology given in UoA.
Formal prerequisites: None
参考(授業ホームページ、図書など)
/Reference (course
website, literature, etc.)
Lecture Notes can be obtained from L.M.Schmitt on CD. (email: L@LMSchmitt.de)


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お問い合わせ先メールアドレス:sad-aas@u-aizu.ac.jp