研究科長メッセ−ジ

大学院の研究・教育展望

斎藤 和之

会津大学は平成5年の開学以来、博士課程を含む大学院の開設を目標に準備を進めて きました。大学院は、「創造性豊かな人材の育成」、「国際社会への貢献」、密度の 高い教育・研究」、「地域の特性を生かした特色ある教育・研究」、「福島県の産 業・文化への貢献」の五つの基本理念を基礎に置く、本学の設置目的を具体的に実現 してゆくものです。さる6月30日、文部省への大学院博士課程の設置協議書の提出 を終えました。21世紀を目前に控え、国際的なネットワ−クを基礎としてディジタ ル、マルチメディアの時代のなかで、本学に対する県民の皆さんの期待は図り知れな いものがあります。会津の、福島県の、そして日本の維新に向けて、会津大学はコン ピュ−タと情報ネットワ−クの教育・研究によって貢献してゆくことが期待されます。 また、21世紀に向けた有為な人材と技術基盤をつくるのが大学教員である我々 の夢でもあるのです。現在、文部省や通産省は産業のニ−ズと大学のシ−ズを結びつ け、米国のような大学と産業との活力ある関係を創ろうと構想しています。その時、 その結びつきの中核となるのは、私たちが育てる大学院学生たちです。

 しかし今、大学院は修士課程完成に向けて、そして博士課程の設置に向けて重 大な課題を抱えています。学生に未来への夢を与え、「やる気」を高揚して
いくこと、質の高い教育による質の高い学生を育成することが学部教育も含め
た会津大学の重要課題です。大学院の充実・発展、さらには産業界との連携の基盤 としてこの課題を解決していかねばなりません。

 会津大学は日本の大学での教育経験を持つ教員だけでなく、海外からの教員、 企業の経験を有する教員も加えて発足しました。これは日本国内では他に類例を 見ない本学の特徴です。会津大学が自身の持つこの特徴を活かしきれば、県民の 皆さんの期待に応え、我々教員自身の夢を実現するのは決して困難では無いと 思っています。