会津大学長 野口正一
21世紀は高度情報化社会としてますます栄える世紀であります。 しかしながら、この世紀が世界の人類にとって、そして我が国の人々にとって 本当に素晴らしいものであるためには、解決しなければならない重要な問題がある ことも事実であります。
この問題解決のためには、次の二つの基本問題を解決しなければなりません。
第一は、当然のことでありますが、高度情報化社会を支える 先端技術、特に重要な新しいコンピュータ及びネットワーク技術を中心とした情報 技術の研究開発であります。
第二は、この新しい社会を作り出すための新しい社会組織、新しい社会倫理の構築 であります。
当然のことでありますが、この二つの問題解決のためには、全世界的な視野に立った コンセプトの上で解決が行われなければなりません。
以上述べた21世紀の最も重要な基本問題に対し、特にコンピュータ及びネット ワークの研究・開発を中心とし、その解決を与えるために設立され、現在活躍し ている大学が会津大学であります。
会津大学は、学部はコンピュータ理工学部一学部として構成され、世界でも有数の 規模と水準を確保しております。特に、研究者の50%以上が優秀な外国人であり、 国際レベルでの研究・教育が行われており、理工学部に 関していえば、このような 大学は日本では本学だけです。
また、本学は、1997年4月に修士課程を二つの専攻(情報システム学と
コンピュータシステム学)をもって設置し、1999年4月の博士課程設置へ向
けて準備しているところであります。博士課程の設置により本学の研究・開発
の環境、そして国際大学としての地位はより一層強固になるものと確信して
おります。
改めて会津大学の目的とするものをまとめれば 以下のとおりです。
特に(3)に関しては、大学院修士課程の設置 とともに地域及び日本の産業界と
の連携をより密にし、21世紀型の新しいコンピュータおよびネットワークに関連
する産業の創出のため、具体的なアクションプログラムを組み、努力し
ているところであります。