2007の概要

本選出場チーム

本選の結果

本選の状況













いちまいの絵CG部門

トップページへ

演題「過去と未来の分岐点」

 若い皆さんには、時間という宝物があります。今日は作品を見ながら、無限大の未来が広がっている皆さんをうらやましく感じました。私の職業は自由業で、定年もなく徹底した夜型です。今でも3日間くらい寝ないこともあり、それくらいの体力と気力がないと切り抜けられない世界ですが、皆さんも将来自分が志す分野で活躍されることを祈っています。

 現在、機材の大変遷の時代にあり、ペンで絵を書かない人が多くなりました。私の部屋もコンピュータだらけになっていますが、私達はちょうど時代の変遷期に一緒に生きていて、皆さんが未来を作る世代なのです。コンピュータもペンやインクと変わらない画材であり、表現者としては自分に合った物を存分に使いこなせば、それでよいのです。私の作品も最初は全部手書きでしたが、つくば万博の時期から少しCGが入り始めました。当時は大変な作業で、作成には1秒間で70万円もかかりましたが、CGの導入により演出方法が大きく変わりました。

 さて、試しに私の作品の一部を見ていただきましたが、この作品の最後は、「時間は夢を裏切らない。だから夢も時間を裏切ってはならない。その2つが出会ったときにあなたの夢がかなうでしょう。」という台詞で終わります。

 この映像は、120人総出で作っており、今のコンピュータ容量では1人で作るのは不可能です。しかし、それが1人2人で可能となる機材が開発されるのは時間の問題で、そういう時代の到来に私は間に合わないかもしれませんが、皆さんは間に合います。私は、少年の頃から「刀をペンに持ち替えた永遠の浪人。どこに屍をさらしても悔いはない。」ということを言い続けて絵を書いてきました。好きな物に身を投じて運命をともにすればよく、皆さんの作品の中にもそういった内容のものがいくつかあり、うれしく思ったと同時に懐かしく感じました。

 画家というのは、自分の両目で見た物の立体感を紙という平面に描写します。CGにしろ、何にしろ、将来こういう感覚が大事ですので、体験を豊かにしてください。私も一度でいいから自分の目で地球を見たいと思っています。

 未来への分岐点に立つ皆さんには、時間という宝物が無限大に広がっています。今日の話を頭の片隅に置き、ぜひこれから夢を持ち続けて頑張ってください。