CONTENTS
開   会   式
プログラミング部門
選 手 等 交 流 会
デジタルコンテンツ部門
講演 : 筧 捷彦 先生
講演 : 檜山 巽 先生
表   彰   式


  演題:『「自分ごと」目線で
       
       「感じる」表現をしよう』



日々の生活の中で、みなさんが実感を持って、「面白い」とか
「変だな」と感じていること、それが「自分ごと」です。その、
「自分ごと」を出発点に、人が何かを「感じる」コンテンツ表現
を作る。ということについて一緒に考えてゆきたいと思います。

さて、今回テーマは、「わたしのまち」でした。わたしたちが
「自分ごと」として扱えるまちは、おそらく大きく以下の3つ。

1)自分たちが暮らしているまち
2)訪れたことのあるまち・好きで通いつめているまち
3)自分の好きな空想の世界のまち

1~3は、みなさんがよいコンテンツを作るための「貴重な素材:元ネタ」を探せる「まち」なのです。

1、2では、日々実感したり、自身の問題として考えられること
から、その魅力を不特定多数と共有したり、知らせたい情報を
訴えかけることが、3では、普段から頭の中で温めてきた景色、
好きな物語などから表出した、空想イマジネーションの世界に、
他者をいざなうことができます。(1、2+3の形もある)

それらが自分の身の回りの、より切実な「自分ごと」であるほど、
そこで得た観察分析、解説、表現と、さらに、それを他(のまち)
と比較するなど、より興味深い内容抽出で、自分しか作れない、
価値あるコンテンツになり得る、というわけです。

さて、素材を踏まえ「コンテンツ」に落とし込んでゆくのですが、
「表現」には「テーマ」と「仕上げ」、2つの大きな要素があり、
そのどちらもが不可欠です。

●「テーマ」(なにを)の重要点
:素材から何を伝え、そこに人を惹きつけられるかを考える力
●「仕上げ」(どのようにして)の重要点
:魅力的な絵、言葉、音、目的に合ったデザイン構成の技術

2つがしっかり交わり、そこに意外性や特殊性が生まれたら、
そのコンテンツは無敵!です。 一方、どちらかが貧弱だったり、
双方のバランスが悪いと、うまく伝わらないのです。

さまざまな情報の受け手側に立ち、街やTV、インターネットを
観察してみると「説明のテンポがわるい」「物語がつまらない」
「内容と絵が不釣合い」そんな風に感じる経験は、だれにも
あるはずです。

しかし、いざ発信側に立つと、思い入れの強い内容であるほど
視界が狭くなり その「テーマ・仕上げ」の見極めや、バランスに
対する客観性を、見失ってしまいがちなのです。
 
ネット情報量は膨大なので、つまらないと5秒でスキップされる
といわれています。そうなってしまうと、せっかくの企画取材や、
制作作業という根気のいる努力も、水の泡です。
 
ですから、みなさんはまず、個人的関心事としての「自分ごと」
の発見。(「まち」が別のものに変わっても同様のことが言える)
次に、そこから「コンテンツ」に組み上げるときは、周囲の意見を
参考にしたり、自身も視点を切りかえ「他人にとってはどうか?」
をしっかり踏まえて、段階的に見直しつつ、サービス精神を持ち、
伝えたいことのポイントを絞って、完成させてゆきましょう。

「自分ごと」が、他人にとっての「自分ごと」にすり変わること

それが、伝える、「感じる」表現をつくる上で、とても大切です。


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