GrADSのバージョンに関するメモ
GrADSは現時点(2012年11月末)で version 2.0.2 が最新版となっているが、
残念ながら新しいものが良いとは限らない。各バージョンの違いについて、
覚え書きを残しておきたい。
GrADSホームページ
とりあえずどれを使うべきか
早い話が、現時点だと通常は version 2.0.1 、ユーザー定義関数を使いたけれ
ば version 1.9b4 、gxeps でモノクロのepsファイルを作成したければ、
gxeps のみ version 1.8sl11 を使うのが良さそう。
GrADS version 2.0.2
version 2.0.1 とさほど変らないと思われる(GrADS ホームページの changelog
で変更点を参照)。
このバージョンでは、netCDFのファイルで鉛直座標が Pa の場合は、自動的に
0.01倍して鉛直軸のラベルに使うようにしました、と書いてあるのだが、
なんと hPa の時も0.01倍されてしまうバグがある。
GrADS version 2.0.1
色々新しい機能が出来ていて使いやすいと思う。ただし、ユーザー定義関数
(UDF)は verion 2 では使えないため、UDF が必要な場合は version 1.9
などを使う必要がある(あるいはOpenGrADS?)。
特徴として、version 2 では gradsc, gradsnc, gradsdods などと用途によって
異っていたコマンドが、grads 一本に統一された。
目新しい機能として、shapefile で地図情報などを描くことができる。
県境、市町村境、川、鉄道、主要道路など、shapefile を入手すれば図に書き
入れることが可能。
ESRIジャパン社の全国市町村界データ:
http://www.esrij.com/products/data/japan-shp/
内陸のみの県境、県庁所在地など。
GrADS version 1.9b4
これも結構必要な機能は揃っていて UDF も使えるので、この版をデフォルトに
するのも悪くないと思われる。
version 1.9 から、テンプレートで時間別のデータファイルを開く場合に
chsub というファイル名指定法が使えるようになった。これまでの、
%d2 などのファイル名規則に当てはまらないパターンのファイル指定ができる。
日付けとファイル名の付け方が微妙にずれている場合(12時から24時間分ずつ
データがファイルに入っているとか)など、この機能を使うと正しい時刻で
開けるので、意外と便利だと思う。
templateの解説ページ
GrADS version 1.8sl11
さすがにこのバージョンは古く、機能が少いので使うことは無いだろうと
思っていたのですが、、、
version 1.9 以降に付属の gxeps では、白黒の eps ファイルをうまく作成
できない。この版の gxeps ならきちんとグレースケールで出力してくれる。
version 1.8 の gxeps と これより後の版ではカラーの出力も微妙に異って
いる。RGB 値の違いはわずかなので見た目ではあまり区別できないが、15番
の灰色は明らかに濃さが違う。(RGB 値は 0.5 0.5 0.5 から 0.67 0.67 0.67
に変って明るくなった。)
白黒epsファイルを作るには、一旦PSファイルにしてからps2epsを使う方法も
あるが、gxepsを使うほうが普通でしょう。
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