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拘束ベースの流体と非拘束剛体の相互作用シミュレーション

研究内容

コンピュータの描画能力・演算能力の向上に伴い, 映像エンターテイメントの分野おいて, 流体と非拘束の剛体が相互作用を及ぼすシミュレーションの需要が高まってきています. 本研究ではこのシミュレーションの容易化・高速化する手法の開発を行っております.
従来は,流体と剛体の衝突判定にペナルティ法が用いられていました. しかしこの手法ではバネ係数に代表される, 数々の物理パラメータを慎重に設定することが求められ, 適切な値を見つけ良いシミュレーション結果を得るまでに膨大な時間を要していました.
粒子で近似された剛体
normal rigid body particle-based rigid body
もとの剛体 粒子で近似された剛体

そこで本研究の手法では,流体粒子を質点とみなすことで, 剛体同士の精密な衝突応答を行う拘束ベース手法を, 流体と非拘束剛体の衝突応答に拡張しました. さらに剛体も粒子として近似されているため, 衝突検出が容易となっています.
ペナルティ法と拘束ベース法のシミュレーション比較
penalty-based simulation constraint-based simulation
ペナルティ法 拘束ベース法

この手法によってGPUを用いた高速な演算が実現され, たとえば異なる密度を持つ剛体が流体に押されたり, 噴水による水の噴き上げによって, 複雑な形をした剛体が巻き上げられたりするアニメーションが生成可能になりました.

参考動画

シミュレーションによって生成されたアニメーション
example 1 example 2 example 3
流体と密度の異なる2つの剛体の相互作用 WMV 噴水と剛体の相互作用 WMV 粒子数が多量の場合のシミュレーション WMV

参考文献

  • Sho Kurose and Shigeo Takahashi, "Constraint-Based Simulation of Interactions between Fluids and Unconstrained Rigid Bodies," Proceedings of Spring Conference on Computer Graphics 2009 , pp. 197-204, 2009.   [PDF]

Last modified on Wed May 22 JST 2009