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正弦波関数の微分、積分(記号法)

一定周波数の正弦波関数で表示される電流、電圧の指数関数表示は、

\begin{eqnarray*}\dot I &=& Ie^{j\omega t}\\
\dot V &=& Ve^{j\omega t} で与えられる。
\end{eqnarray*}


これらを 時間で微分すると、

\begin{eqnarray*}d\dot I/dt &=& j\omega Ie^{j\omega t} = j \omega \dot I,\\
d\dot V/dt &=& j\omega Ve^{j\omega t} = j \omega \dot V
\end{eqnarray*}


となり、それぞれ、$\omega$ 倍され、位相が$\pi/2$進むことを示してい る。 これは、 $\frac{d}{dt}$を一つの演算子として考えると、 $\dot I,
\dot V$を時間で微分することは、 $\dot I,
\dot V$$j\omega $ を掛け てやることと同じである。 すなわち、次のようにおくことができる。
\fbox{$\frac{d}{dt} = j\omega $ }

次に、 $\dot I,
\dot V$時間で積分すると、

\begin{eqnarray*}\int \dot Idt &=& \int Ie^{j\omega t}dt = \frac{Ie^{j\omega
t}...
...rac{Ve^{j\omega
t}}{j\omega }= \frac{\dot V}{j\omega } を得る。
\end{eqnarray*}


同じように、$\int dt$ を一つの演算子と考えると、
\fbox{$\int dt = \frac1{j\omega} $ }
とおくことができる。

すなわち、 $j\omega $ を掛けることは時間で微分すること、
  $j\omega $ で割ることは時間で積分することである。

したがって、「微分方程式」を、$j\omega $を含む「代数方程式」に変換 し、これを解き、簡単に解を求めることもできる(記号法)。



Kenichi Kuroda
2000-06-24