Japanese/English 2009年11月18日 |
会津大学先端情報科学研究センター(CAIST)宇宙情報科学クラスター(ARC-Space)の所属教員らを共著者とする論文が、
惑星科学の学術誌「Meteoritics & Planetary Science」(第44巻第8号 1115-1120頁「Formation age of the lunar crater Giordano Buruno」、出版:国際隕石学会)に掲載されました。
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「Meteoritics & Planetary Science」(第44巻第8号)の表紙
※論文に関わる画像が表紙を飾りました。 |
諸田智克氏(JAXA研究員)を筆頭に、会津大学教員4名を含む12名の研究者は、月周回衛星「かぐや」搭載の地形カメラが
撮影した月面クレータ、ジョルダノ・ブルーノの高解像度画像の解析から、その形成年代が100万年〜1000万年前であることを解明し、「Meteoritics & Planetary Science」誌に
論文「Formation age of the lunar crater Giordano Buruno」を発表しました。
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ジョルダノ・ブルーノは月の北緯36度、東経103度、月の裏側にある直径22kmのとても明るいクレータ。一般に直径20kmサイズのクレータは、
約3000万年に1度の頻度で形成されると理解されていますが、ジョルダノ・ブルーノは中世に形成された非常に新しいものとされてきました。1178年「月に突如として明るい巨大な発光があった」
というの修道士の目撃談がイギリスの古文書に残されており、その場所がジョルダノ・ブルーノの位置に近いものであったことから、このクレータこそ中世に大発光現象をもたらした
隕石の衝突により形成された、と考えられてきたのです。
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今回、諸田氏を筆頭とする12名の研究者は、ジョルダノ・ブルーノの放出物の上に小クレータの存在を発見、さらに、その小クレータの数密度
からジョルダノ・ブルーノが100万年〜1000万年前に形成されたことを科学的に解析し、過去数千万年のクレータ生成率に極端な増加は起こらなかったという大変重要な結論を導きました。
これにより、中世形成仮説は否定されたことになります。
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この論文は会津大学CAIST/ARC-Space所属教員4名が共著者となっており、筆頭の諸田氏、他3名の共著者も会津大学大学院の特任教員として
招聘されています。会津大学は「かぐや」に搭載された観測機器のうち、今回の成果である地形カメラの他、マルチバンドイメージャ、レーザー高度計に関わっています。 |
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- 筆頭著者
- 諸田智克(JAXA)
- 会津大学の共著者
- 出村裕英(マルチメディアシステム学講座、ARC-Space)
- 平田成(マルチメディアシステム学講座、ARC-Space)
- 小川佳子(ARC-Space)
- 本田親寿(ARC-Space)
- 会津大学大学院特任教員として招聘されている共著者
- 春山純一(JAXA)
- 大竹真紀子(JAXA)
- 横田康弘(JAXA)
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参考:会津大学が関わったマルチバンドイメージャの成果はこちらをご覧下さい。 |
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