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動的集合図における段階的アニメーションの最適化
に関するプロジェクトの情報を提供するために準備されたものです
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集合への所属関係における動的変化の視覚化 |
集合図は,データ要素間の集合への所属関係を表します.
多くの場合所属関係は,
地図やグラフ上の要素の空間的位置などの一次情報の上に,
二次情報として視覚化されます.
そのような集合図の時間的進化とその主要な特徴を視覚化することは,
非常に重要です.
しかし,
従来手法は主に時間的挙動にのみ焦点を当てており,
集合関係における注目すべき変化を強調する効果的な手段は,
提供してきませんでした.
本研究では, データ要素の所属関係の基本をなす時間的変化を明瞭化するために, このような動的集合図のためのアニメーションを用いた手法を定式化しました. そのために, グラフに基づく集合図表現を採用し, それを用いて全体の集合関係の時間的遷移を, データ要素に関連付けられた最小単位の変化に分解して, 段階的なアニメーションを自動的に作成していきます. 本研究の技術的貢献は、 アニメーション表示におけるそのような最小単位の集合図の変化列をの順番を最適化して, ユーザに課される視線の動きを軽減し, 要素間の遮蔽関係を最小限に抑えるために集合の上下関係を調整することにあります. 加えて, アニメーション表示の視覚的な明瞭さを維持しながら, 競合しない最小単位の集合図の変化をまとめることにより, アニメーション全体の時間の短縮を図ります. 図1は, この手法を使用して2つのセット図の間の段階的なアニメーションを, 自動的に生成した例を示しています. 上部の単純な線形補間(図1(a))と比較して, 提案手法(図1(b))は, 集合間の遮蔽を抑制しながら, ひとつ目の集合図からふたつ目の集合図にどのように変化するかを, うまく視覚化できています. この研究のアイデアの詳細については, 図2の動画を参照してください. |
図1: 2つの集合図を補間する手法を並べて比較したもの.
(a) 要素がすべて並列に線形で移動するような簡単な補間手法.
(b) 提案する補間手法では,集合図の遷移が最小単位の変化に分解され順序付けられている.
ここでは,各要素はアルファベットの画像として,各集合は色のついた領域として表現されている.
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図2: 動的集合図のための提案する段階的アニメーション表示のアイデアを説明する動画.
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結果 |
図3は,
地図上のヨーロッパ全体に広がるインフルエンザの時間的推移を示しています.
この例を用いて,
各要素の位置が地図上に固定されている場合において,
提案手法が動的集合図の可読性をどのように向上できるかを評価しています.
単純な線形補間と比較しても,
段階的なアニメーションを使用して,
集合へ各要素の所属関係の変化を簡単に追跡できます.
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図4は,論文における研究者とキーワードとの関係を示しています.
この場合,
キーワードに対応する要素は,
それらが属する研究者集合をまとまって構成するようにその位置を移動します.
段階的アニメーション表示により,
各研究者の専門知識に関連するキーワードの平行移動または除外/包含の関係を効果的に認識できるようになります.
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このアプローチを使用して生成された結果の詳細については,
図5の動画も参照してください.
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図5: 提案手法のデモアニメーション
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Paper & Video
Kazuyo Mizuno,
Hsiang-Yun Wu,
Shigeo Takahashi,
and
Takeo Igarashi,
Optimizing Stepwise Animation in Dynamic Set Diagrams,
Computer Graphics Forum
(Proceedings of EuroVis 2019),
Vol. 38, No. 3, pp. 13-24, 2019.
[PDF],
[Supplementary material:PDF],
[DOI: 10.1111/cgf.13668].
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