特異点を考慮に入れたテンソル場の補間手法
研究内容
医療画像による生体組織の物理的性質や微小構造を理解する上で,3次元テンソル場の可視化は重要になってきた.しかし,適切な補間手法が存在しないため,3次元テンソル場に内在する連続的特徴を追跡することは,今まだ難しい課題である.本研究では,与えられたデータに内在する異方的構造を考慮に入れた,3 次元テンソル場の補間手法を提案する.
本研究は, 2次元のモーショングラフと構築手法を高度化することで,上記のような自然な人の動きを伴うビデオ画像を合成する手法を実現している.具体的には,入力ビデオから人体オブジェクトを抽出し,2次元モーショングラフを介してその形状が近いもの同士を自由に行き来できるようにすることで,新たな動きの合成を実現するとともに,オブジェクト上の特徴点を直接操作することで,そのようなモーショングラフ上の動きの探索を直接的に行うための枠組みを提案している.加えて,モーフィング技術を利用することで,相対的に形状が異なるオブジェクト間の中間の動きを自動的に生成し,ビデオ合成における動きのレポートリーを増やすことにも成功している.
例えば,図1(a)のような入力ビデオが与えられたとする.我々の手法では,この入力ビデオから最初に人のオブジェクトに対応するビデオオブジェクトを抽出する. このように抽出されたビデオオブジェクトのノードとし, オブジェクトの形状が近いもの同士にエッジを接続することにより, 図1(b)のような2次元モーショングラフを構築する. 次に, 新しい動きを生成するため,オブジェクト上の特徴点を抽出し,それらの対応関係をフレームごとに追跡する.これにより,ユーザが特定の特徴点の動きを指定することで,図1(c)のように直感的にモーショングラフ内に定義されている動きを探索することができ,結果として新しいビデオシーンの合成が容易となる.
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(a)original tensor samples
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(b)one stage of clustering tensor samples
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(c)one stage of clustering tensor samples
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(d)Degenerate pairs (red lines) obtained through the MST-based clustering algorithm.
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図1: Mininmum Spanning Treeの構築
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図2は,特徴点を用いて動きを制御した例のひとつである.いま,図2左のような状態であるとき, ユーザはそこから動かしたい部位(この場合左手)を,マウスでクリックして
選択する, その後,マウスがドラッグされた位置から最も近い特徴点をもつに動き(姿勢)のノード(図2右)に移動することで,モーショングラフ内の人の動きを探索していく.
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(a) Degenerate pairs
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(b) Configurations of degenerate pairs in a unit square
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(c) Degenerate cells
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図2: Locate degeneracy
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モーショングラフの内で, 本来時系列に関して連続でないビデオオブジェクト同士を行き来すると,その形状の相対的違いや動作速度の違いにより,視覚的に不連続な動きが生じる可能性がある. そこで本研究では, 先ほど抽出した特徴点の分布を利用し, 画像変形(モーフィング)手法を応用することで,連続的な中間形状を生成している. (図3参照).
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(a)Rotational inconsistency
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(b)Smooth result
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図3: Resolve rotational inconsistency
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結果
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(a) Original tensor samples
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(b) Downsampled tensor samples
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(c) Component-wise
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(d) Log-Euclidean
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(e) Our scheme
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図4: Interpolating a diffusion tensor field containing three different fibers and three degenerate points (red circles).
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参考文献
Chongke Bi, Shigeo Takahashi, and Issei Fujishiro:
"Interpolation of 3D Diffusion Tensors by Locating Degenerate Lines,"
In Poster Proc. of IEEE Pacific Visualization 2011, pp. 9-10, March, 2011.
Chongke Bi, Shigeo Takahashi, and Issei Fujishiro:
"Interpolating 3D Diffusion Tensors in 2D Planar Domain by Locating Degenerate Lines,"
in Proceedings of
the 6th International Symposium on Visual Computing (ISVC2010),
(at Las Vegas, Nevada, USA), pp. 328-337, 2010.
PDF,
DOI,
Chongke Bi, Shigeo Takahashi, Haruhisa Ishida, and Issei Fujishiro:
"Interpolating 3D Diffusion Tensors Through Optimizing Rotational Transformations of Anisotropic Features,"
In Poster Proc. of IEEE Pacific Visualization 2010, pp. 3-4, March, 2010.
石田 明久, 高橋 成雄, 小川 雄太, 藤代 一成: 「異方性特徴を考慮した回転変換に基づく
3次元拡散テンソル場の補間」 Visual Computing/グラフィクスとCAD合同シンポジウム2009, June, 2009..
(PDF,3836KB)
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