CONTENTS
開      会      式
プログラミング部門
選手等交流会
デジタルコンテンツ部門
講演:筧捷彦先生
講演:松本零士先生
表      彰      式



演題:「未来は心の中にある」
 

 私は、子供の時から騒々しい人間でした。ただ、星といいますか宇宙が好きで、そんなことばっかり考えて過ごしていました。昭和18年、5歳の時に明石の映画館で「雲とチューリップ」という日本のミュージカルアニメーションを見たんです。ここで心に火がつきました。

そしてその火が、少年の日からの志がかなったんです。ですから今でも信じております。皆さんの胸の中にある、もっと小さい子供たちの胸の中にある未来への自分の志ですね。希望、夢です。それはもう現実に存在していると信じてかまわないと思います。それは私らが子供の時に、小さい時に憧れていた未来都市そのままが、東京もどこもなにもかもそうなってしまっているからです。漫画の中にもいっぱい書きました。今当たり前の風景です。今の子供たち、それから皆さんの世代が未来だと信じて憧れている情景、物体、現象ですね、それは皆さんが私らの年になる頃には実際に姿を現しています。架空のものではないんです。未来とはそういうものだと、その申し送りが、バトンタッチが続いていくわけですね。皆さん、夢と志は大きく持ってください。土台が大きければ大きいほど完成する夢も大きいわけです。

若さは羨ましいです。このままの記憶と経験を持ったまま、誰かと入れ替わりたいですね。私の年でまだ、道半ばです。そして永遠の浪人です。何の保障もありません。退職金もなにもない。しかし自分で選んだ道ですから後悔はしません。いつ路傍に屍をさらそうともそれで本望であります。自分で選んだんです。自分で選んだ以上全責任は自分にあるわけです。その代わり夢は、せめて自分の一念は果たしたいと思います。

皆さんは今が人生のユートピアです。若い皆さん、「力の限り」なんて大げさなことはいいません、自分の好きなことを好きなようにやって、それで何とか飯が食えるようになればそれでいいんです。そして自分の表現を世の中に問えるようになれば、それが一番幸福なんです。

最後に申し上げます。自分の経験がものをいいます。自分の目で見て体験したことを描くのと、写真や資料を見て描くのでは大差があります。元気で若いうちに存分に暴れ回って、体験を積んでその経験を元に創作の道に驀進してください、邁進してください。それを皆さんの中からいずれ現れるであろうと、信じて疑いません。羨ましいです。どうかがんばってください。

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