君たちがSE(=システムエンジニア)になる場合、必要なスキルは大きく分けて二つある。
一つは「テクニカルスキル」、コンピュータ技術を使いこなすスキルであり、その基本はコンピュータを技術的に見ることである。
コンピュータの三大原則としては、「ハードウエアの基礎」、「ソフトウエア(プログラム)の基礎」、「コンピュータには都合がある」があるが、これがテクニカルスキルの基礎ある。
入力された情報を演算し結果を出力するというものがセットになっている装置がコンピュータであることを理解することが、技術的に見る「ハードウエアの基礎」である。
また、命令とデータの集合体が「ソフトウエア(プログラム)の基礎」である。
さらに、入力にキーボードを使用することや出力にモニターを使用する等は「コンピュータの都合」であり、SEはそのような様々な都合を知っている必要がある。
もう一つは「コミュニケーションスキル」、人の話を聞いて自分の考えを伝える能力であり、その基本はITとは何かを知ることである。
ITとは情報活用技術であり、単なるコンピュータ活用技術ではない。
昔の酒屋などは大福帳を使い、常連客の情報を活用していた。これがITである。
情報が増えて大福帳だけの処理が限界となった場合に、コンピュータでの処理が必要になってくるのであり、単に業務にコンピュータを導入することがIT化ではない。
つまり、SEは、困っていることをコンピュータを使用したITで解決することが仕事であり、新たに何かを作ることではない。
また、どんなに高性能のシステムを制作しても、お客に使ってもらえなければ成功とはいえない。
プロフェッショナルとアマチュアの違いは、お客に対する意識の有無である。お客を考えたプログラムはエラー処理と修正しやすさが必要となる。
SEとしては、技術は持っていて当たり前であり、お客にどれだけ配慮しているかが重要となる。
以上のように、基礎を学ぶことが重要である。
「基礎を知らなければ応用ができない! 基礎を知らなければ新しい技術を生み出せない!」をあなた達にぜひ覚えておいてほしい。
コンピュータを楽しみ、お客様の役に立てるプロになってほしい。
学生である今、何をすべきか?
未来を見据えて基礎を学んでください。