そこで、誤差の二乗の和をとると、これはゼロにはならないから、「誤差 の二乗の和が最小」になるような平均値を求めて、それを最も確からしい 値とするのが最小二乗法(method of least squares)である。
xの測定値を
とし、それに対応するyの測定値
を
とすると、次のn個の観測方程式が得られる。
いま、実験式を
とすると、xの測定値 を式(8)に代入して得 られる各yの値は、式(7)の の値と少しず つ異なる。しかし、もし式(8)が最も確からしい関係式であると すると、実測のyiの値と、この式のxにxiを入れて計算したyの 値axi+bとの差(残差)の二乗の和が最小になっているはずであるから (最小二乗法の原理)、
が成り立つ。aおよびbについて最小でなければならないから、
これを書き換えると
ここで、 とおくと、これらの値は測定値xi,yiからそれぞれ求めることがで きる。式(9),(10)をa,bについて解くと、
これが最も確からしい関係式(実験式)y=ax+bを求めることができる。
(例)ある銅線の電気抵抗Rを、温度tを変えながら測定したところ
表 1のような測定結果を得た。この銅線の0℃における抵抗
R0と温度係数を求める。
データより、温度tiと抵抗Riは、一次の関係式にあると考えられる。
このとき、温度tの抵抗Rは、
これらを式(11)に代入して、
したがって、