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LCR共振回路

LCR直列回路では共振現象が発生する。 直列共振回路についての教科書75-76頁の一部を以下に再録して おく。
******************************** 教科書引用 ********************************
(4) 共振回路

いままでは電源周波数が一定であったが、例えば、図 2.42(a)において、電圧$\dot V$の周波数が変化した場合、合成インピーダンス $\dot Z$もまた、次式により変化し、図(b)のような特性になる。

$\dot Z=R+j\omega L- j{\displaystyle \frac1{\omega C}}\equiv
R+jX\equiv Ze^{j\theta Z}$ (2.74)
ここで、
$Z=\sqrt{R^2+X^2} ,~~~~~~~~\theta_{Z}=\tan^{-1}(X/R)$
また、電流Iは次式のようになる。
$I={\displaystyle\frac{V}{Z}}={\displaystyle \frac{V}{\sqrt{R^2+X^2}}}$ (2.75)

したがって、 $\omega = \omega_{0}$において、Zは最小値Rとなり、 電流は最大V/Rとなる。この状態を直列共振という。 $\omega_{0}$は、X = 0とおいて、次式のように導かれる。

$\omega_{0}=2\pi f_{0}={\displaystyle \frac{1}{\sqrt{LC}}}$ (2.76)

このf0共振周波数という。また、図(c)の電流 - 周波数曲線を共 振曲線といい、 $\omega_{0}$における電流の鋭さを示す次式の比帯域幅 (または半値幅)が定義されている。

${\displaystyle \frac{\Delta \omega}{\omega_{0}}}$または ${\displaystyle \frac{\Delta f}{f_{0}}}$ (2.77)

普通、インダクタンスはコイルで構成されており、必ず抵抗がある。そこ で、抵抗Rが小さいほど電流曲線が鋭くなるので、これをコイルの質の 良さを表すQといい、次のように定義される。

$Q \equiv {\displaystyle \frac{\omega_{0}L}{R}}$ (2.78)


 

\resizebox{10cm}{10cm}{\includegraphics{me-ex3-fig4.eps}}
図2.42 直列共振回路とその特性



******************************** 教科書引用終り ********************************



 

Kenichi Kuroda
2000-06-24