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解説

電圧降下法は、図1のように 抵抗を流れる電流 I と抵抗による電圧降下 (抵抗の端子電圧)Vを測定し、 次式により抵抗値Rを求める方法である。

\begin{displaymath}R = {V\over I} \eqno(1)\end{displaymath}


  
Figure 1: 電圧降下法による抵抗測定
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\psbox[scale=1.0]{Fig/R-VI.eps} \end{center}\end{figure}

実際に電流や電圧を測定するには、電流計および電圧計を用いるが、 接続の方法には図2のように(a) I-V法、(b) V-I法の 2種類がある。 電流計および電圧計には内部抵抗が存在しており、それぞれRI, RV、 被測定抵抗をRXとすると、図2の回路は 図3の等価回路で表される。

3の回路において 電圧計・電流計の測定値から式(1)により求め た抵抗値R

\begin{displaymath}R = R_X \parallel R_V (I-V法の場合) \eqno(2)\end{displaymath}


\begin{displaymath}R = R_X + R_I (V-I法の場合) \eqno(3)\end{displaymath}

となる [*] 。 したがって、単に R = RX とすると、RVまたはRIに よる誤差が入ってくることになる。 すなわち、抵抗RXを測定する際は RX, RV, RIの関係により、 図2のどちらの測定方法を採用するか注意 しなければならない。

ただし、 I-V法において $R_X \ll R_V$ および V-I法において $R_X \gg R_I$ の場合は

\begin{displaymath}R \approx R_X\end{displaymath}

と見なすことができる。

また、 RXの真の値がわかっていれば、 式(2), (3)の関係から、 逆に内部抵抗の値RV,RIを求めることが出来る。


  
Figure 2: 電圧降下法による抵抗測定回路
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\psbox[scale=1.0]{Fig/meter.eps} \end{center}\end{figure}


  
Figure 3: 等価回路
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\psbox[scale=1.0]{Fig/equiv.eps} \end{center}\end{figure}



Kenichi Kuroda
2000-06-24