中澤 研究室





保健体育理論


概要

 人間は身体を持って生活している。人間が生存し、活動する基礎となる身体の能力を「体力」と呼び、体力の構成要素である「身体」と意欲やストレス耐性などの「こころ」は、相互に関連し人間の発育発達や行動と深く関与している。
 それゆえに保健体育科目の基本的カリキュラムの目標は、身体性への自己認知と社会的スキルの発達におかれ、体育の学習においては、深い人間理解に基づく科学的な知識を踏まえた上で、人間の発育発達に沿った指導性と自主性、自発性の調整を図り、自律を支援していくことが重要な課題となる。
 本科目では、身体運動と人間の発育発達や生活とのかかわりについて学び、生活に密着した身体知への基礎的な理解を深めていく。


目的

 本科目の目的は以下の通りである。
・ 生涯体育観の形成
・ 身体知の理解
・ 生涯にわたりスポーツに親しむ態度の育成

日程及びテーマ

◯発育発達と体力
1.ガイダンス 
2.体力と公衆衛生
3.遊びと心身の発育発達
4.運動意欲と言語の発達
5.集団活動と道徳性の発達
6.発育発達に沿ったトレーニングとスポーツ活動
7.成熟以降における定期的な運動の効果

◯こころとからだのかかわり
8.不安と目標設定
9.運動学習と注意の向け方
10.ストレスとコーピング
11.行動変容理論1
12.行動変容理論2

◯生活とスポーツ
13.スポーツと用具の開発
14.スポーツ基本法とクラブスポーツ
15.まとめ


(参考文献)
杉原隆『運動指導の心理学』大修館書店
M.チクセントミハイ『フロー体験喜びの現象学』世界思想社
ロジェ・カイヨワ『遊びと人間』講談社学術文庫
Damian Farrow: DEVELOPING SPORTEXPERTISE, Routledge
日本スポーツ心理学会偏『スポーツ心理学辞典』大修館書店
宮下充正『年齢に応じた運動のすすめ』杏林書院
ヴァンデンオウェール編『体育教師のための心理学』大修館書店
NPO法人日本トレーニング指導者協会編『トレーニング指導者テキスト』大修館書店
石井直方『究極のトレーニング』講談社
榎本博明編『自己心理学3-健康心理学・臨床心理学へのアプローチ』
R.S.ラザルス『ストレスの心理学』実務教育出版
うつくしま広域スポーツセンター『総合型地域スポーツクラブを核とした地域づくり推進事業 事業報告書』